引越し業者が荷物を紛失した場合、補償・対策はどうすればよいか?

引っ越しをしたら大事な荷物が紛失してしまっていたということはあってはならないことです。

しかし、頻繁とはいわないまでもときどき起こる可能性はあります。では、引っ越し業者が荷物を紛失した場合、補償は受けられるのでしょうか?

以下では、「引っ越し荷物の紛失に対してどう対処したらよいのか」ということについて解説します。

引っ越しの荷物紛失はどれくらいの頻度で発生しているの?

荷物紛失に関するトラブル確率は0.1%

引っ越しの際に荷物が紛失するということはめったにあってはならないことです。しかし、消費者センターに寄せられる引っ越し荷物の紛失に関する相談は、毎年約2,400~2,700件にものぼります。

年間の推定引っ越し件数は220万件ですから、トラブルなく引っ越しができているケースの方が圧倒的に多いです。ただ、消費者センターに相談せずに泣き寝入りしているケースもあります。

少ないといって放置できる件数ではないでしょう。消費者センターに寄せられたすべての相談や苦情の中でも、引っ越し荷物の紛失に関するものは1~2割程度にもおよびます。

いつわが身に降り注いでもおかしくはないトラブルであることは間違いありません。

どう対応するかを引っ越し前に決めておく

たくさんの荷物を移動させれば、どこかで紛失することはあり得ると思っても、自分の荷物が万が一紛失してしまったときに、仕方がないとあきらめられる人はまずいないでしょう。

「ひとつくらいなくなってもおかしくはない」などと、冷静に受け止められるケースはほとんどありません。

そのため、実際に荷物が紛失するトラブルに合ってしまう前に、きちんと「どのような対策ができるのか」を考えておかなければなりません。

実際に大切な荷物がなくなったら、どのような手順で対応するかをあらかじめ調べて、書き出しておくことが大事です。

実際に引っ越し荷物の紛失トラブルが発生する確率は0.1%程度で、1,000回に1回は起こっていることになります。

引っ越し業者のミスで荷物がなくなってしまったにもかかわらず、「初めからなかった」「きちんと荷物は渡した」などと、とぼけられてしまう例も少なくありません。

泣き寝入りしなくて済むように、対処の仕方を学びましょう。

引っ越しで紛失した荷物は補償される?

紛失に対する保険・補償はあるが・・・

引っ越し荷物の紛失に関しては、大手の引っ越し業者の場合は保険に加入しています。そのため、明らかに引っ越し業者のミスによるものや、犯罪行為によるものであれば補償金がもらえるはずです。

しかし、実際はもらえないケースが多発しています。なぜ、引っ越し荷物の紛失は補償されるはずなのに、実際には補償されないのでしょうか。

なぜなら、「本当に引っ越し業者のミスが原因なのか」がはっきりしないケースが多いからです。

荷物が壊れたということであれば、引っ越し業者のミスであることを証明しやすいのですが、それでも、梱包の仕方が悪くて壊れたときは補償してもらえないケースもあります。

荷物の紛失にいたっては、運ぶ際にあったものが運んでいる途中になくなったということを証明するのが困難です。

もちろん、大きなタンスや家電製品のように1個ずつリストアップされているものがなくなったのであれば、だれの目から見ても明らかですから、補償も得られるでしょう。

しかし、段ボールがなくなったときには、最初から「あったのか」「なかったのか」がはっきりしません。

しかも、段ボール箱への梱包を事前に本人たちが行った場合には、引っ越し業者は段ボール箱の中に何が入っていたのかもわからないため、「そんな荷物は知らない」といわれることになります。

紛失したことを証明しないといけない

引っ越し荷物の紛失に対して補償があるというのは引っ越し業者の建前です。しかし、建前でも、本当にあったものが引っ越しの際になくなっていることを立証できれば補償を受けられます。

補償を受けられるケースが少ないのは、引っ越しの最中になくなったことを証明できないからだということをしっかり受け止めて、対策を考えておきましょう。

なくなったことを証明する方法さえあれば、紛失がわかっても慌てずに済みます。

引っ越し荷物の紛失トラブルへの対処法

まず引っ越し業者の問い合わせ窓口に電話

引っ越し荷物がなくなったことに気が付いたら、まずは引っ越し業者の問い合わせ窓口に電話連絡を入れましょう。

ただし、けんか腰にならないように注意が必要です。本当に引っ越し業者の過失かどうかがわからない段階で、引っ越し業者とケンカをしても意味がありません。

実際に、引っ越しの荷物を梱包する際に、家族が捨ててしまったものを紛失したと勘違いして大騒ぎするケースもあります。入れたつもりの箱ではなく、他の箱の中から出てくるケースも少なくありません。

最初は、あるはずの荷物がないので、「トラックの中に荷物が残っていなかったか」「他の引っ越し先の荷物に紛れ込んでいなかったか」を確認してほしいという形で連絡しましょう。

あくまでも問い合わせという姿勢で電話をかけることが大事です。

引っ越し完了のサインを安易にしない

また、引っ越し作業中に紛失に気が付いたときは、いくら業者にサインを求められてもサインをしてはいけません。

トラブルなく引っ越しが完了したという内容の書類になっていることがほとんどだからです。

読まずに安易にサインをしてしまうと、サインをしたことを理由に補償してもらえなくなることもあり得ます。

自分からわざわざ紛失なく引っ越しが完了したということをサインして、自分の首を絞めてしまうことのないように気を付けましょう。

引っ越し荷物の紛失にはいくつかパターンがあります。

1、荷物が元の家に取り残されている
2、中継点で積み忘れている
3、下ろすのを忘れて、次の顧客の引っ越し先まで運ばれている

のいずれかです。

そのため、荷物の紛失に気が付くのが早ければ早いほど、見つかる可能性が高まります。

引っ越し完了のサインを受けられなければ、引っ越し業者のスタッフも次の引っ越し先への移動ができないため、必死に探してくれるはずです。

紛失を証明する具体的な方法

ダンボールに番号をつける

万が一荷物が紛失しても、そのことを後で証明できるように、荷物を自分自身でも管理しましょう。まず、ダンボール箱が全部でいくつあるのかがわかるようにしておくことが大事です。

箱にマジックで番号を付けていきましょう。部屋ごとに箱が全部でいくつあるのかわかるようにしておき、そのうちの何番目の箱なのかがわかるように書いていくと、万が一なくなったときにはそのことが一目でわかります。

リストを作って、何番目の箱に何が入っているのかをわかるようにしておくと、さらによいでしょう。

箱の中身を写真撮影する

ただし、箱に番号を振るだけでは、中身を抜かれたときには対応できません。段ボール箱の外側にマジックで「何が入っているか」を書くことも大事ですが、「箱の中に何を入れたかを写真で撮影」しておくと確実です。

「中に何が入っていたか」を立証できれば、補償に応じてもらえる確率が高まります。

引っ越し業者の中には、引っ越し前の状態を写真で撮影して、確実に運んだことをわざわざ証明してくれるサービスをオプションで付けているところもあります。

そのようなサービスを利用することも有効ですが、予算的に合わないケースの方が多いでしょう。自分自身で写真撮影して万が一に備える方がリーズナブルで確実性もあります。

積み残し、下ろし忘れをその都度確認

元の家からの積み込みや、トラックからの荷下ろしの確認作業を、引っ越し業者任せにしないことも大事な対策方法のひとつです。

「積み残しがないこと」「荷物の下ろし忘れがないこと」を自分の目でもしっかり確認すれば、紛失の原因は中継地点の積み下ろしミスか盗難に絞れます。

「どの時点で紛失した可能性が高いのか」ということを証明できれば、なくなった荷物が見つかるかもしれません。引っ越し業者のミスであることも証明できるので、補償に応じてもらいやすいでしょう。

繁忙期の引っ越しは荷物を紛失しやすい

引っ越し繁忙期は避ける

急ぎの引っ越しでないのなら、荷物の紛失を防ぐためにも、できるだけ繁忙期を避けることが大事です。

繁忙期は大量の引っ越しに対応するため、臨時で雇っているアルバイトの数も多くなります。荷物運びのためだけにかき集められた、身元がはっきりしないスタッフで対応している業者も中にはあります。

身元がはっきりした信頼できるスタッフだけで作業を行ってくれる引っ越し業者であれば、繁忙期の引っ越しでも作業の品質に変わりはないかもしれません。

しかし、1日に複数の引っ越し作業を行わなければならないような繁忙期では、作業自体が乱雑になりがちです。

ただでさえミスが起こりやすい状況ですから、慣れないスタッフが作業を行う業者を選んでしまうと、荷物の紛失も起こりやすくなります。

さらに、引っ越し件数の多い繁忙期の場合、途中で何度も荷物の積み下ろしを繰り返しながら新居へ向かうケースも少なくありません。

途中の積み下ろし回数が増えれば増えるほど、紛失も破損も確率が高まります。可能な限り直行便で引っ越せるようにしておく方が、途中で紛失する確率を減らせるので安心です。

貴重品・絶対に失したくないものは自分で運ぶ

引っ越し荷物の紛失を防ぎたくても、進学や就職の際の引っ越しはどうしても繁忙期になってしまうというケースが少なくありません。

なくなったら困るものはできるだけ自分の手で運ぶということも大事でしょう。貴重品に関しては自分で運ぶように、引っ越し業者からも求められるはずです。

せっかくの引っ越しがトラブルによって台なしになってしまったのでは、新生活が暗いものになりかねません。明るい新生活にするためにも、自分で紛失を防げる範囲で防ぐ努力が必要です。

繁忙期の引っ越しは、それ以外の時期よりも紛失の警戒をしっかりするようにしましょう。

契約書の中身を確認することも重要

紛失に対する記述・補償がないこともある

引っ越し業者を決めるときには見積もりを取り、細かいところまでチェックしたうえで契約書を交わしているはずです。

しかし、細かい部分までしっかり読み込まずに引っ越し料金だけを比較して決めてしまうという人も少なくありません。

実は、規模の小さな引っ越し業者の中には、紛失に対する補償が初めからないこともあります。万が一の紛失に対して、補償に関する取り決めも何もないというのは、本来あってはならないことです。

そのため、契約書の隅々までよく目を通して、紛失の関する保証内容に納得したうえで契約することが大事です。

万が一の紛失や破損に対する補償についてまったく記述がないのは、引っ越し業者の契約書として間違っています。

そのようないい加減な契約書を提示する業者に引っ越しを依頼することのないように気を付けましょう。

契約書で補償対象外のものは自分で運ぶ

契約書も見積書も、よく読んでいけば引っ越し業者の姿勢が見えてきます。

何が補償の対象になっていて、何が補償の対象から外れているのかあらかじめわかっていれば、補償対象外のものは自分で運ぶなどの方法を取ることができます。

安全確実に引っ越し荷物を運んでもらうためには、信頼できる引っ越し業者を選ぶことが欠かせません。契約書の中身をしっかり確認するようにしましょう。

きちんと隅々まで読めば、免責事項についても記載があるはずです。引っ越し作業はトラブルが起きやすいものですから、あらかじめ免責事項についても細かい規定が設けられています。

「何が補償の対象になっているか」と同時に、「何が補償の対象にはならないのか」ということもあらかじめ知っておくことが大事です。

そうすることによって、補償の対象外のものは自分自身で運ぶことができます。引っ越し荷物の紛失はゼロにはできないものの、自分の引っ越し荷物の紛失をゼロに近づけることは可能です。

引っ越し荷物の紛失リスクは工夫によって減らせる

荷物紛失リスクは約0.1%だが・・・

引っ越しの際に荷物が紛失してしまうリスクは約0.1%です。これを高いと見るか低いと見るかは人それぞれですが、引っ越しの際に手間をかければ、リスクを大幅に減らすことができます。

荷物の紛失を防ぐために、ちょっとした工夫をすることで荷物が紛失したタイミングを絞り込むことも可能です。

それでも引っ越し荷物の紛失が起きてしまったときには、素早く正しい対応ができるようにしておきましょう。

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