位牌・遺影・仏像などの引っ越し方法と供養の仕方

引っ越しにともない、仏壇の中にある「位牌」や「ご本尊仏像」、あるいは仏壇の上などの飾ってある「遺影写真」などを移動~運搬する場合、そのまま動かしてよいものか迷います。

多くの人は、「位牌」などを動かす前になにか供養が必要になるのかどうかがわからないからです。

ただ、あまり心配することはありません。実際にこれらのものを引っ越しにともない移動~運搬する場合、多くの宗派では次のような手順で行います。

1、引っ越し前に、お坊さんに「魂(たましい)」「お性根(おしょうね)」を抜いてもらう
       ↓
2、目隠し梱包をして引越し先へ運搬する
       ↓
3、引っ越し後、お坊さんに「魂」「お性根」を入れてもらう

というような手順になります。今回は、「位牌・遺影・仏像などの引っ越し方法と供養の仕方」について解説します。

手順1、引っ越し前に、お坊さんに「魂(たましい)」「お性根(おしょうね)」を抜いてもらう

引っ越し前に「魂抜き」「お性根抜き」をする理由とは?

仏教の多くの宗派では、ご本尊仏像・掛軸やお位牌・遺影写真などに対し、「魂を入れる・抜く」「お性根を入れる・抜く」という考え方をします。

最初に仏壇を設置したときや位牌を作成したときに、お坊さんに行ってもらう儀式を、魂入れ(たましいいれ)・お性根入れ(おしょうねいれ)などといい、これを開眼供養(かいげんくよう)と呼びます。

そして、これらを引っ越しにともない移動する前に行ってもらう儀式を、魂抜き(たましいぬき)・お性根抜き(おしょうねぬき)などといい、これが閉眼供養(へいがんくよう)と呼ばれるものです。

【魂・お性根抜き供養状況】

このように、初めにお坊さんにより魂を入れてもらっているので、私たちは「ご本尊仏像・掛軸やお位牌・遺影写真などに、ご先祖様や故人の魂が宿っている」と信じ、普段手を合わせています。

つまり、魂がそこにあるままで移動~運搬~引っ越しさせることは失礼に当たり、仏教の多くの宗派では作法に反する行為となります。

こうした理由から、ご本尊仏像・掛軸やお位牌・遺影写真を引っ越し~移動する場合、お坊さんに依頼して仏壇から魂を抜いて供養をしてもらう必要があるのです。

魂・お性根を抜くことにより、位牌などは一旦「単なるモノ」になります。そうすることにより、引っ越しで動かしてもよいという考え方になります。

ちなみに浄土真宗では、魂・お性根という概念がありません。その代わりに、遷仏法要(せんぶつほうよう)・入仏法要(にゅうぶつほうよう)という考え方の儀式があります。位牌などの移動の際には他の多くの宗派と同じように、これら読経の儀式が行われています。

要は、宗旨宗派が違っても、位牌などを引っ越しする前に、お坊さんにお経を上げてもらうことが必要になります。

ちなみに引越しにともない、位牌などを処分をしてしまいたい場合も、この魂抜き・お性根抜き・閉眼供養を行うことになります。

お坊さんへの依頼の仕方

・檀家の場合

もともとあなたが、どこかの寺院の檀家である場合は、直接その寺院のお坊さんに魂抜き供養を依頼してください。

檀家とは特定の寺院(旦那寺)に対し、お布施という名の寄付をしたり奉仕をしたりして、その寺院の経営や維持・存続を支える支援者のことです。いわば会員のような存在です。

会員なので、葬儀や各種法事などの際、すばやくお坊さんが駆けつけてくれるのです。位牌などをを引っ越す際に魂抜き供養をする際も同様です。檀家であれば遠慮なく閉眼供養を依頼してください。

・檀家でない場合

ただ、近年は寺院やお坊さんとのわずらわしい関係を嫌い、檀家を離れたい人も増えてきています。だんだんと寺院との付き合いが希薄になってきているのです。

したがって、気軽にお坊さんに相談できる環境が少なくなってきているのも現実です。

それでもあまり心配することはありません。最近ではインターネットでお坊さんを手配・紹介してくれるサービスもあります。

檀家でなくとも、お坊さんに供養を一見で依頼することも簡単にできます。「お坊さん紹介」「お坊さん手配」「お坊さん派遣」などで検索すれば見つかります。

手順2、位牌などを目隠し梱包して引越し先へ運搬する

お坊さんによる魂抜き供養が終われば、ご本尊仏像・掛軸やお位牌・遺影写真は「ただのモノ」として扱い、移動・運搬することができます。移動の際のポイントは以下の2点です。

1、ご本尊や位牌は目隠しをして移動させる

ご本尊(仏像や掛軸)・位牌・遺影写真・過去帳などは、白布や白い紙などで包んで移動させます。魂入れの対象になるものに対し、移動時に目隠しをするという意味合いがあります。

目隠しをした上で、他の仏具などとは別のダンボール箱に入れて、大切に運搬しましょう。

2、仏壇内での配置を記録しておく

一般的に、ご本尊(仏像や掛軸)・位牌・遺影写真・過去帳などは、仏壇の中または周辺に設置されています。

このため、引越し先で仏壇を再設置したときに、これらの置く位置がわからなくなることがあります。

このため、引っ越し前に写真を撮ったりメモに控えたりして、位牌などの再設置が簡単に元通りにできるようにしておきましょう。

引越し業者さんに依頼する場合は、しっかり対応してもらうようにしてください。お位牌の数や表裏の違いなども間違わないように伝えてください。

手順3、引っ越し後、お坊さんに「魂」「お性根」を入れてもらう

供養は1日で済ますか?2回に分けるか?

引っ越し後、位牌などに対しあらためてお坊さんに、魂入れ・お性根入れの開眼供養を行ってもらいます。

引っ越しが比較的短時間で終わる場合は、引っ越し前の供養と引っ越し後の供養を1日で済ませることも可能です。

ただし、その間お坊さんには少々待っていただくことになります。それが難しい場合は、日を改めてお坊さんに供養に来ていただいた方がよいでしょう。

一日で済む場合と日を改める場合とでは、もちろんお布施の額などが変わってきます。

お布施はいくら渡せばよいか?

お坊さんにお渡しする「お布施」は引っ越し前・引っ越し後の供養それぞれ、またはまとめて2供養分お渡しします。この渡し方はお坊さんと相談してください。

また、魂抜きのお布施金額相場は1回あたり、1~5万円です。宗派によっても寺院によっても違います。

わからない場合は、直接お坊さんに聞くことをおすすめします。「いくらですか?」と聞くより、「他の方はどれくらい包んでおられますか?」と聞くほうがベターです。

その方がお坊さんも答えやすいからです。ちなみにインターネットでのお坊さん手配サービスのお布施相場は1回あたり3万5千円です。

引っ越し前・引っ越し後の2回分の供養を1日で連続して行う場合は、4~5万円程度が相場です。

ただ、お布施はあくまでも「寺院への寄付」であり「感謝の気持ち」ですので、原則はいくらでもよいです。あなたが経済的に無理のない範囲で渡せばオッケーです。

まとめ

ご本尊(仏像や掛軸)・位牌・遺影写真・過去帳などの引っ越しにあたり、お坊さんに供養をお願いするのはけっこう面倒です。しかし、きちんと供養をした上で引っ越しを行った方が、あなたの気持ち的にもまた、家族・親類を納得させるためにもよいでしょう。

引越し業者によっては、魂抜き供養の済んでいないご本尊(仏像や掛軸)・位牌・遺影写真・過去帳などの移動を嫌がる場合もあります。必ず事前に引越し業者に確認をしておくようにしましょう。

なお、引っ越し先に持っていけない「ご本尊(仏像や掛軸)・位牌・遺影写真・過去帳」などを供養~処分したい場合は以下を参照ください↓
http://reset-soul.com/ihai/

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