引っ越しで見積もり以外の追加料金が発生する場合とその対策

引っ越し料金には定価という概念がありません。そのため、引っ越し料金を算出するためには、「荷物量」と「作業内容」と「運搬距離」を確認するための見積もりが欠かせません。

しかし、稀に見積もり以外に追加料金が発生する場合があります。なぜ追加料金がかかってしまうのか、追加料金の発生を防ぐための対策はどうすればいいのかを解説します。

引っ越し料金が決まる仕組み

業者間の運賃に大きな差はなし

引っ越し料金は、各人ごとに住む家や荷物量が異なるため、どれをとっても同じ引っ越しはあり得ません。家族何人だからいくら、間取りが3LDKだからいくら、移動距離が100kmだからいくら、とは一概には決められない性質のものです。

引っ越し料金が決まる仕組みは、簡単に言えば、運賃+作業実費+オプション料金です。その引っ越し料金を決めるベースとなる「運賃」は、引っ越し業者の監督官庁である国土交通省により、

(1)4時間未満と8時間未満の時間制運賃
(2)移動距離が100km以上の場合の距離制運賃

の2種類に分けられています。

このように、使用するトラックサイズに合わせて標準のモデル運賃料金が定められているため、各引っ越し業者の運賃は大きな差がありません。

そのため、引っ越し業者は他業者よりも安い見積もり額を提示したいため、運ぶ荷物の数量を正確に把握しなければならないわけです。

運賃以外で料金差がでてくる

そのためには、引っ越し元の住居の様子と荷物の下見が欠かせません。下見で引っ越し元と引っ越し先の住居や道路の様子の聞き取り、エレベーターの有無、大型荷物の搬出経路などを確認します。

そのうえで、引っ越し当日の必要な作業スタッフの人員や適した大きさのトラックを決めます。

そして、引っ越し希望日、エアコンの取り外しや取り付け、ピアノの運搬、荷造り依頼などのオプション利用の有無を決めて、最終的に引っ越し料金が確定するわけです。

ただし、世間で引っ越しの需要が多い土日や祝日に大安が重なる場合は料金が高くなります。また、全国的に引っ越しの繁忙期となる3月から4月上旬は、料金が2倍3倍に跳ね上がることもあるほどです。

最終的に、引っ越し業者各社でかなりの料金差が生じるため、少しでも安く引っ越したいなら数社の見積もり依頼(相見積もり)が必須です。

訪問見積もりは必須!

web見積もりはあくまで概算

引っ越し業者の多くはインターネットのホームページを持ち、webでの見積もりに対応するところが増えています。

web見積もりとは、パソコンやスマホの画面上で、自宅の家具や家電の個数をあなた自身が家財リストに入力して、引っ越しの見積もり料金を計算する方法です。

そして、引っ越し元と引っ越し先の大体の住所を入力して、希望するオプション作業などを選択すれば概算の見積もり額が計算されます。

引っ越しを急ぐ場合は、web見積もりだけで訪問見積もりを依頼せず、引っ越しを決めてしまう人もいるでしょう。しかし、このようなケースの多くで、追加料金が発生する可能性があります。

web見積もりのデメリットとは?

考えられる原因として、web見積もりは、本人の思い違いや入力ミス、正確なサイズを測っていないため荷物サイズを誤って入力している場合があります。

また、申告するダンボール個数なども少なめに見積もっているかもしれません。つまり、引っ越しのプロでない人が正確な荷物量を自分で判断するのは、かなり厳しいと言わざるを得ません。

さらに、壊れ物や重量物が多い場合なども荷積みの仕方によっては、予定していたトラックに載せきれないケースもままあります。

そもそも、web見積もりは正確な見積もり料金を算出するためのものではありません。あくまでも概算でしか計算できないため、一般的にはその後正式な訪問見積もりを行い、正しい引っ越し料金を決定する流れになります。

web見積もりより実際は料金が高くなる理由とは?

そこで、細かく打ち合わせをしていくと、多くの場合はwebでの概算の見積もりよりも料金が高くなることがほとんどです。

たとえば、分解と組み立てが必要な家具があった場合、別料金がかかってくることがあります。また、廊下を通ると思っていた大型家具の搬出ができなかったため、急きょベランダからの吊り作業で対応することになったなどの場合も追加料金が発生します。

重さや階数によっては多くの人手が必要になり、現場近くにいる作業員を招集することになるかもしれません。そうなると、人件費も余分にかかってくるでしょう。そのような場合があるため、プロの営業マンや引っ越しアドバイザーの下見が必要になるわけです。

このように、web見積もりはあくまでも「概算」です。引っ越し当日に多くの追加料金が発生することも珍しくありません。

よほど急ぎの引っ越しでない限りは、訪問見積もりをしてもらったうえで正確な見積もり料金を出してもらうようにしましょう。

ただ、そのように訪問見積もりで念入りに打ち合わせをして出た見積もり料金でも、あとから追加料金が発生するケースもあります。その原因と対策は以下のようなものになります。

対策その1:引っ越し先の状況を正確に伝える

まず考えられるのが、引っ越し先の住居や近辺の様子を曖昧に伝えてしまった、または勘違いをしていた、ということが原因です。以下のような4つの原因が考えられます。

1、エレベーターの有無

実際はエレベーターがないマンションなのに、あると勘違いをしていた場合です。

エレベーターを使わない階段作業では、荷物が多く重量物が多いほど料金は割高になります。それがエレベーターを使う前提での料金設定になっていたとしたら追加料金発生の対象になるでしょう。

2、道路幅

また、住居前の道路幅を乗用車2台が余裕ですれ違える程度と言ってしまったものの、実際はそこまで広くなかった場合にも追加料金がかかる場合があります。

つまり、交通の妨げとなるため引っ越しトラックが玄関の目の前に停められず、少し離れた広めの道に駐車して荷物を手で運ばなければならなくなった場合です。

この作業を「横持ち」と言い、トラックが侵入できないときに止む無く台車や手運びで往復して荷物を運ぶために体力も使い時間もかかる作業です。しかし、トラックのサイズを小さくして何台かで運べば十分に玄関前に停められたため、横持ち作業は防げたはずです。

このような場合も、道幅の申告を正しく伝えていれば防げた作業ですので、追加料金がかかることがあります。

対策としては、現地の様子があやふやな場合は、正直にわからないと伝えることです。引っ越し先が近ければ、引っ越し業者は下見に行って確認することもできます。

遠い場合は、最寄りの営業所スタッフに見に行ってもらうこともできます。また、グーグルマップなどを使えば航空写真で見られる範囲内なら大体の道幅がわかります。

3、階段や廊下の形状・寸法

さらに、引っ越し先の様子を伝えるときは、階段や廊下の形状もできるだけ詳しく伝えるのがおすすめです。

たとえば、手すりがあるのか、頭上の高さはどれくらいか、踊り場の奥行きなどが伝えられれば安心です。建築図面や間取り図などがあれば手元に用意しておきましょう。

4、他の工事などの有無

集合住宅の場合は、引っ越し当日にエレベーターや電気設備の点検日と重なっていないか、ほかの工事などでトラックの駐車スペースがふさがっていないか、などを確認することもお忘れなく。

そこまでの準備をしてさえいれば、当日不可抗力の突発的な事態が起きても、追加料金の発生はかなり防げます。

対策その2:引っ越し当日の約束事を守る

完璧に下見をして算出した見積もり料金でも、引っ越し当日のハプニングにより追加料金がかかってしまうことがあります。とはいえ、原因の多くは引っ越し依頼者本人の不注意によるものです。

1、荷物を積み込める状態にしておく

たとえば、引っ越し日の開始時間を午前9時と決めていた場合、9時には荷物をトラックへの積み込みができる状態にしておかなければなりません。

「ダンボールへの荷造りが終わっていないので、ほかの家具を先に積んでいてください。そのあいだに終わらせます」という人もいるようですが、このような行動はNGです。

なぜなら、ダンボールは一番先に運び出し、重いものを下に、軽いものや壊れ物を上にしてトラックの奥に積み込むという手順があります。そして、大型家具や家電を最後に積み込み、引っ越し先では何も物を置かない状態で大型の家財を先に運び入れます。

その段取りが違ってしまうと、大きな時間のロスになってしまうのです。あまりにも長時間待たせることになっては追加料金の請求もやむを得ません。

引越し業者が2軒目の引っ越しを控えているときなどは、悠長に待っていることもできないため、スタッフ総出で荷造りを手伝う場合もあります。その際、追加料金がかかっても文句は言えません。

2、急な追加依頼を避ける

また、引っ越しまでに不用品や粗大ごみの処分が間に合わず、急きょオプションの不用品処分サービスなどを頼んだ場合も追加料金がかかります。

また、引越し当日に他のオプションを急に依頼した場合なども、通常の追加料金以上の費用が発生することもあるので注意が必要です。

対策その3:見積もり書や規約をきちんと確認する

1、オプション料金の確認

引っ越し業者のオプションサービスで多いのが、エアコンやBSアンテナの取り外しと設置です。

エアコンの設置は、電気工事士の資格を持つ技術者が行わなければならないことが法律で決まっています。そのため、引っ越し業者と提携している電気工事会社から技術者が派遣されて出張で作業を行います。

その作業料金が、見積もり料金の総額に含まれているか、別途その場で支払うことになるかを確認してください。含まれていない場合は、技術者が作業を終えたときに支払うことになるでしょう。

また、エアコンの移設工事に際して、劣化した部品やホースの交換が必要になることがあります。その際も、部品代として追加料金が必要になります。

2、梱包資材の数量確認

他に考えられる追加料金として、ダンボールやハンガーボックスなどの包装資材があります。標準の引っ越しプランではダンボール50個まで無料としている場合が多いです。

足りない場合はリサイクルダンボールを回してもらったり、新しいダンボールを追加で持ってきてもらったりすることになるでしょう。引っ越し業者により、その追加分が有料になる場合があります。

足りない分は、スーパーやホームセンターなどで無料提供しているしっかりしたダンボールをもらうと良いでしょう。

引っ越し前後はどうしてもバタバタしてしまい、説明されたその場では理解したつもりでも、あとになって内容があやふやになるときがあります。少しでも疑問に思ったことは、遠慮なく引っ越し業者に問い合わせてください。それが追加料金の発生を防ぐコツでもあります。

対策その4:複数業者から相見積もりを取る

1、見積内容の違いを比較する

まずは、web見積もりだけでなく確実な訪問見積もりを依頼して追加料金がかからないようにしましょう。

できれば3社以上の見積もりを取ることがおすすめです。3社の見積もり料金とサービス内容を比較して、安い業者と高い業者にはどのような違いがあるのか比べてみましょう。

あまりに見積もり料金が安い場合は、ほかよりも小さめのトラックを予定していたりするものです。全部の荷物が積み込めない場合は、追加料金が発生することがあるかもしれません。

また、ほかの業者よりも作業人数が少ないために料金が安い場合もあります。人数が少ないため引っ越し終了が夜遅い時間になり、荷解きも寝るスペースも確保できないため急きょ近隣のホテルに宿泊したという人もいます。

引っ越し業者に追加料金を払ったわけではありませんが、別に余計な費用がかかってしまったケースです。

2、プランを確認

あるいは、ほかの業者よりも安いところに依頼したら、実は「積み切りプラン」だった、ということもあります。このプランは、トラックに詰め込めるだけの荷物を運んでもらうという方法です。

引っ越し依頼者であるあなたが積み残したダンボールなどの小物を、自分の車で運ぶことにより引っ越し料金が安く抑えられます。近距離ならそれも良いかもしれません。

ただ、何往復もしなければならない場合や車に積めない大きな物が残ってしまった場合は、ほかの輸送方法を考えなければなりません。そこでも、予定外の料金がかかってしまうことになります。

引っ越し料金は、複数社の見積もりを料金だけで比較するのではなく、作業内容や明細などをよく確認したうえで検討することが大切です。特別に安い料金に疑問を持てばその原因に気がつくことができ、追加料金の発生を防ぐことができます。

安かろう悪かろうの業者に引っ掛からないためにも、必ず複数社から見積もりを取り、安さだけで選ぶことのないように注意することで満足できる引っ越しになるでしょう。

追加料金の発生を防ぎ適正料金で引っ越しを!

最初に安い料金を提示しておきながら、引っ越し後に追加料金を請求されるケースは少なくありません。追加料金が発生しない対策まとめとして、

・複数社の訪問見積もりを比較すること
・料金に違いがあればその原因を突き止めること
・当日になってオプションサービスを利用しないこと

などが重要です。

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